1. 法定相続と遺言・公正証書遺言のメリットと公証役場の役割について ~ 安心な老後のために~
  2. 2019年度第20回通常総会の報告

事務局雑感

❍「最期は自宅で迎えたい」と望む人が少しづつ増えてきています。住み慣れた自宅でマイペースの生活を望むことは、理にかなっていると思います。実際私達が関わっている人で自宅で最期を迎えたいと退院して穏やかに4ヶ月以上を過ごしている人もいます。親戚の人や友達の訪問もあり、寝たきりですが驚くほど穏やかな日を送っています。服薬も一切やめました。

自宅で最期を迎えるとしたら、費用はどのくらいかかるのか気になるところですね。「人生の最期」は、多くの場合ベッド上の生活となり、食事も排泄も入浴もすべて他人の手助けが必要になります。介護保険を使ってケアマネージャーにプランを作ってもらいます。ヘルパー、訪問入浴、訪問リハ、その他に医療系として訪問看護や訪問診療も必要です。金銭管理ができなくなれば後見人も必要です。費用は大体1ヶ月30万円かかります。有料老人ホームで最期を見てもらっていた人も同じぐらいかかりました。でも入院すると高額療養費限度額があるので7万円から10万円くらい。個室の費用は別ですが。 こんなに差があるのだと驚かれる人もいるのではないでしょうか。自分で働いてためたお金だから自分の最期のために使おうと考える人もいるでしょうし、最期と言われても期間がわからないから不安だという人もいるでしょうし。悩ましい問題です。

❍米どころの高校生が、河川敷の歩道にお弁当の絵を書いたとテレビが報じていました。白飯に梅干しがのり、鮭の塩焼きや卵焼き・ブロッコリーの絵。カラーペイントで鮮やかに美味しそうに描かれていました。この歩道の近くに地域の人が集まれる場所があるので、そのPRもあるのだとか。親子連れの楽しそうな笑顔のクローズアップ。足元には食べ物の絵が。絵とはいえ、食べ物を土足で踏んでいるのです。戦後の食べ物のないひもじい日々を過ごした世代の私は、「食べ物」は、とても大切なものです。それに食べられるようになるまで作る人の苦労もあります。土足で歩く歩道にお弁当の絵は、見ていて違和感を覚え、悲しくなりました。高校生の地域をもり立てようとする熱意は素晴らしいと思うにつけ、なにか他の題材はなかったのだろうかと。